伊豆高原の音楽&カルチャースポットabflaboに先日入れていただいたディスクリストです。
定期便で選盤してますが今回は特に好評。
テーマは「才女と才人」です。(あるいは「できる女と腕利き野郎」、など)
[才女たち]
Hiatus Kaiyote ”Mood Valiant”
(フューチャー・ソウル / R&B / Rock)
ヴォーカル/ギターのナイ・パーム擁するオーストラリアのグループ、ハイエイタス・カイヨーテ。
曲、ヴォーカル・パフォーマンス、グルーヴ感、音作り、アルバムの中での曲のバラエティ、全てが素晴らしい2021年の作品。
加えて、ブラジルのヴェテラン・アーティスト、アルトゥーロ・ヴェロカイがアレンジで参加し、ゴージャスさとスケールを加えているという、完全無欠さ。
Les Rita Mitsouko “The No Comprendo”
(New Wave / Rock / World)
フランスの夫婦ロックデュオ、レ・リタ・ミツコ(後に単にリタ・ミツコに)の’86年のアルバム。
おしゃれさ、パンキッシュさ、などなど、いかんともしがたい魅力があります。
個人的にはリアルタイムで見たこのアルバム3曲目 C’est Comme Caのビデオが忘れられません。
彼らのビデオといえば、初期の人気曲”Marcia Baila“ですが、たとえば平日の夜11時、たまった日常のうさをはらしたい時にこれを見て、この2人を好きにならない人がいるだろうか?
Joyce “Ao Vivo”
(MPB / Bossa Nova)
60年代に羽ばたいた、ボサノバ以後のブラジル・ポピュラーミュージック(MPB)の中でも抜きん出た女性シンガー・ソングライター、ギタリスト、ジョイス。ブルーノートなど、来日も盛んです。
一番の有名曲は”Feminina”で、同名の収録アルバムは私も一番好きな作品ですがLPはなかなかの高値で、今回はそのFemininaを冒頭にもってきたライブ盤。
Ella Fitzgerald & Joe Pass “Take Love Easy”
(Jazz)
ギターとヴォーカルのみで聴く、しみじみと味わい深いジャズ。
エラ・フィッツジェラルドのうまさ・深さに完璧に寄りそうジョー・パス。
ジャズのスタンダードはいろんな人がいろんな編成で演奏しますが、特にこのアルバムのLush Life、A Foggy Day、Gee Baby Ain’t I Good To Youなどは、曲を代表する名演だと思います。
[才人たち]
Eric Von Schmidt “2nd Right 3rd Row”
(Folk / Blues)
ボブ・ディランの先輩格Dave Van Ronkの本で知ったヴェテラン、エリック・フォン・シュミット。
寡作な人で、50年代から活動しているけど72年のこのアルバムが4作目だったそう。
B面後半の実験性がまた60年代的な気骨を感じさせますが、作曲・歌、演奏とも実にいいです。
バックがまたマルダー夫婦などなど、abflaboマスターと筆者からするとイツメン的な顔ぶれがサポート。スライドがいいです。
Malcolm McLaren “Duck Rock”
(Hip Hop / World)
ごぞんじマルコム・マクラーレンの83年のHip Hopデビューソロアルバム!(品番もわかりやすく、MMLP1)
というよりむしろワールドミュージックで、サンプリング含め、結構耳触りもよかったりします。
ジャケットもいいし、キース・ヘリングのイラストがあしらわれていたり、
なんでしょう、アンテナの張り方というか、ストリートかつ意識が高い系というか、名盤です。
今回のはオリジナル版ですが、40周年ということでちょうど最近リイシューされたようです。
Arve Henriksen “Place of Worship”
(Ambient / Jazz)
北欧のトランペッター、アルヴェ・ヘンリクセン。
トランペットと言われないとわからない域に達している音色で、むしろ「笛」です。
奥行きと美しさ、緊張感、などなど、全く独自の音楽で、アルバムを通して別世界で過ごす感覚です。
abflaboは、毎週末の夜オープン。